12/05/2012

12/05/2012 安部公房という作家

最近になって「安部公房」という作家が気になっています。
月間新潮で最近発見されたという、未公開の原作が掲載され、自筆の原稿が取り上げられていました。
横浜文学館に「作家と万年筆」という企画の展覧会に参加した際にも、自筆原稿というのはあまりピンとこなかったのですが、今回も矢張りよく分からず、人生で初めてになったかもしれない文芸関係月刊誌を買いそびれました。

ただし、安部公房氏の作品には魅かれました。最初は図書館で貸し出されていた「砂の女」を借りて読みました。書かれてから時間が経っていることもあり、昔の小説を読むような感覚で読み進めていたのですが、数ページ読んでいくうちに、何とも不思議な世界に引き込まれていくのでした。例えて言えば、村上春樹氏の少しオカルトっぽい作品と「ジョジョの奇妙な冒険」の雰囲気を足して割ったような世界観です。主人公が砂の中にある部落を歩いて行くシーンなんていうのは背景に「ゴゴゴゴゴゴゴォォォォオオオオ」というジョジョの擬音が似合いそうです。

以前にも書いたかもしれませんが、私は文学作品に触れることが極端に少ない人生を選んでしまったようで、まともに氏の作品を読んだのは初めてです。すっかり虜になりました。その面白さは他の作品でも見ることができました。
古書店で運良く見つけた「壁」「箱男」も同じ雰囲気の奇妙な作品でした。この奇妙な、という感覚は私にとって非常に心地よい響きです。
これからも安部公房氏の作品を開拓していくつもりです。お正月休みが長いこともあり、あちこちで買い貯めようか、と考えています。



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